仮説を立てただけで満足しない

世の中にある現象の中で、完全に理論的に解明されていることというのはほとんどないという話を聞いたことがあります。

そして実際にも完全には理論的には説明できないものの、ある仮定に基づいて考えると、多くの場合においてつじつまが合うということで、多くの人が納得しているということは案外多いものです。

このように完全に理論的に説明できないような現象があったときには、まずは起こりうると思われる仮説を立ててみて、それが正しいかどうかを検証していくという方法が取られることがあります。

その中でとりあえず仮説を立ててみるということは比較的簡単なことです。しかし、重要なのはこうして立てた仮説をしっかりと検証して過程だと思います。

この時、単に一方向から見るのではなく、様々なな方向から見ても矛盾がないかをしっかりと検討していくことが重要です。こういった過程を得ても全く矛盾が見つからず、完璧に現象を説明できるような仮説というのはなかなか得られないものですが、こうした検討をすることで仮説の信頼性を大きく向上させることができるものです。

このようにして、しっかりと検討した仮説には信頼性があり、次に似たような現象が生じたときに利用することができる有用な情報となり得ます。

もっともその時に矛盾が判明するということももちろんあるかもしれませんが、そういった情報を基にまた検証作業を行っていくことで、さらに信頼性をあげていくことができるものです。

色々な方面から検証作業を行うことは非常に地味で面倒なことです。わざわざ自分の立てた仮説に矛盾がないかということを調べるのも楽しいことではありません。しかし、こういった作業ぬきに信頼できる仮説を得ることはできません。

仮説を立てたらきちんとそれを検証するという習慣を付けていくことは、深く考える力を付けることにもつながり、そういったことからも一石二鳥であると考えています。